ふかぼらいず

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小説『嫌われ松子の一生』を読んで人を嫌いになれなくなった話

こんにちは、ショウです。

突然ですが、ガッツリ自己分析をしたことがありますか?

以前も少しだけブログで触れましたが…。
www.fukaborise.com


進学とか就職・転職の時にやったかなぐらいで、おそらく普通に生活していたら、深い自己分析なんかしないですよね。

 
僕は昔ブランディングの勉強をしていた時に、時間をかけてやってみたことがあります。

個人のブランディングをする際は、まさに自己分析をしっかり行います。自分史を書いて、何にハマったとか何に影響を受けたとか、全て洗い出すんです。

 
前振りが長くなりましたが、小説『嫌われ松子の一生』(著・山田宗樹)は、自己分析の中で「自分が影響を受けた本」というお題で頭に浮かんだ作品です。


『嫌われ松子の一生』が与えた影響

以下、嫌われ松子のあらすじ。(細かい内容を忘れてしまったので引用)


東京で生活している大学生・川尻笙は、突然上京してきた父・紀夫から、三十年前に家を飛び出した伯母・川尻松子が、最近東京で殺害されたことを聞かされる。父からの依頼で松子が住んでいたアパートに出向き、部屋の後始末をすることになった笙と恋人の渡辺明日香は、松子がどのような生活をしていたのかに興味を持つ。そして、警察が松子殺しの犯人として追いかけていた、元殺人犯の男と出会うことから、松子が歩んできた壮絶な人生を知ることになる。
嫌われ松子の一生 - Wikipediaより

この小説では、主人公・松子の視点を中心に、松子が産まれてから最期を迎えるまでの過程が事細かに描かれています。まさに人の人生を覗き見る感覚。

そして時折、松子の存在すら知らなかった甥っ子・笙の視点が差し込まれます。

ここに、小説の狙いが隠されているのです。

 
笙の立ち位置は、読者の立ち位置そのもの。笙はあるきっかけから松子の過去を知り、少しずつ松子の人生を「自分ごと」として捉えていきす。

最初は、よく知らない1人の女性の訃報でしかなかったものが、最終的には松子に何もしてやれなかった虚しさや喪失感を覚えるまでに。

 
「人の最期、怒り、喜び、悲しみ。それぞれに意味があり過程があり事情がある。」と言葉にしてみれば簡単ですが、この小説ではそれを笙と共に体験させられてしまうのです。

 
僕はこれを読んだ学生時代、この手法にまんまとやられ、この体験がしばらく頭に残っていました。


ルーツを知ることがブランディングに繋がる

今でも人のミスや八つ当たりで被害を受けても、その瞬間は多少腹が立ったり悲しい思いをしたりしますが、その人自身をまったく憎めなくなりました。

相手の事情を勝手に想像する、そんな癖がついたのです。同時に、瞬間的に相手へ感情をぶつけるのも苦手になり、困ることも多々。弊害もかなりあります。

 
このように、個人を作りあげたルーツを探ることで、自分の本当の性格や本当にやりたいことが少しずつ見えてきます。これを繰り返すとブランディングに繋がります。

今回はその中でも、「自分が影響を受けた本」の事例を紹介しました。

ちなみに同じことを数名でやったところ、本当にその人の意外なルーツが見えて面白かったのを覚えています。もし今の自分にモヤモヤしていて、今後の方向性を模索している方は、試しにやってみてもいいかもしれません。